クラウドファンディングで商品を販売するとき、
「数量限定にすれば売れるのでは?」
と考える人もいるかもしれません。
でも僕は、限定にするだけでは不十分だと思っています。
大切なのは、なぜその商品が特別なのか。そして、なぜ今、支援する意味があるのか。
今回は、僕がサポートした「限定555個」の味噌のプロジェクトを紹介します。
2025年にCAMPFIREで実施した「鬼糀味噌」という商品のクラウドファンディングです。
起案者は、麹文化を未来につなぐ活動をしている鬼頭あずささん。
岐阜県中津川市で100年続く「北原こうじ店」と協力し、特別な味噌を開発しました。
通常の味噌の約1.5倍の麹を使用。
地元の米や在来種の大豆、天然塩など、素材にもこだわった商品です。
そして、この味噌にはもうひとつ大きな特徴がありました。
生産するのは、限定555個。
募集当時は一般販売の予定もなく、クラファンだからこそ出会える商品として紹介されました。
ここで大切なのは、数字だけを目立たせないことです。
「555個限定です!」
と伝えれば、興味を持つ人はいるかもしれません。
でも、それだけでは商品の価値は伝わりません。
なぜ、この味噌をつくったのか。
どんな素材を使っているのか。
誰が、どんな想いでつくっているのか。
今回のプロジェクトには、昔ながらの麹文化を残したいという起案者の想いがありました。
また、農家や麹屋など、ひとつの味噌ができるまでに関わる人たちの存在もありました。
そうした背景があって初めて、
「一度食べてみたい」
「この挑戦を応援したい」
という気持ちにつながる可能性が生まれます。
僕は、限定という言葉は、価値をつくるものではなく、商品の価値を伝えるための要素のひとつだと考えています。
このプロジェクトでは、400gの単品だけでなく、2個、3個、4個のセットも用意しました。
さらに、ほかの麹調味料とのセットや、スポンサー向けのリターンも設定しました。
ひとりで味わいたい人。
家族と楽しみたい人。
大切な人への贈り物にしたい人。
商品に興味を持つ理由も、購入する目的も、人によって違います。
だから僕は、商品クラファンでは、ひとつの商品に対して複数の参加方法を考えることも大切にしています。
ただ商品数を増やすのではなく、どんな人に、どんな形で届けたいのか。
その視点でリターンを考えます。
このプロジェクトは、2025年5月14日に公開されました。
第一目標は100万円。
公開から15日目の5月28日に達成しました。
そして6月30日に募集を終了。
最終結果は、
支援総額:1,847,780円
支援者数:240人
目標達成率:184%
という結果でした。
僕は、企画や目標金額、リターン設計、ページ制作、集客設計、公開後のサポートなどに関わりました。
もちろん、「555個限定」にしたことだけで、この結果になったわけではありません。
商品そのものの魅力、起案者の活動、協力者とのつながり、応援してくれた方々の存在。
さまざまな要素が重なった結果です。
僕は、商品クラファンを設計するとき、商品の良さだけではなく、次のことも考えます。
「なぜ、その商品を今、クラファンで支援するのか?」
完成を待つ楽しみがある。
今回だけの特別な体験がある。
つくり手の想いや活動を応援できる。
その商品が生まれる過程に参加できる。
今回の鬼糀味噌には、限定555個という希少性に加えて、伝統的な麹文化を未来へつなぐという背景がありました。
もちろん、すべての商品を数量限定にする必要はありません。
根拠のない希少性を演出するのも違うと思います。
大切なのは、その商品に本当にある価値を見つけ、支援者に伝わる形にすること。
商品を売るだけではなく、今、その挑戦に参加する理由をつくる。
僕は、そこに商品クラウドファンディングの可能性があると考えています。
クラファン現場事例⑦|商品を売るだけではない。海底熟成ウイスキーに136万円の支援が集まった理由
クラファン現場事例⑥|「なくしたくない」が応援になる。神戸の茶屋に286人の支援が集まった理由
実際のプロジェクト:
クラウドファンディングについて相談したい方は、僕のプロフィールページからご確認ください。